CCIJF – 在仏日本商工会議所

発泡ワイン「クレマン」、売れ行き好調

「クレマン」に分類される発泡ワインの販売が伸びている。
シャンパーニュと比べた価格の安さに加えて、郷土色に根差した本物志向でも攻勢をかけている。
「クレマン」分類でAOP(原産地統制銘柄)指定を受けているのは8銘柄で、最も古いブルゴーニュとロワールは今年で50周年を迎える。
サボワは2015年に指定を獲得。
このほか、アルザス、ジュラ、ボルドー、ドローム県ディとオード県リムーが指定を得ている。
2024年の販売実績は1億1400万本で前年比6%増。
2020年からでは実に35%の増加を記録している。
国内販売は55%が量販店経由で、あとは外食店向けの出荷と、直販及び専門店経由の販売が占める。
輸出は全体の40%を占めた。
価格は1本につき7-15ユーロと、シャンパーニュとは比較すべくもない。
従来は安値の代用品というイメージもあったが、現在では風向きも変わっている。
ブルゴーニュ地方ソーヌエロワール県のピカムロ(Picamelot)では、1990年代よりレストランでの取り扱いに力を入れてきた。
現在では、年間30万本をレストランへの出荷と専門店経由でのみ捌いている。
ジュラ地方の場合、ワイン生産の3割近くをクレマンが占めており、昨年には300万本を出荷した。
価格の安さゆえに、若い世代で人気のカクテルの材料としての使用など、消費の裾野も広がる。
業界では、気候変動により収穫が不安定になり、市場の成長を支えるための増産が困難になることを懸念している。クレマンの成功をみて、発泡ワインの生産に乗り出すワイナリーも現れている。
シャンパーニュと新規参入組の挟み撃ちにあうのか、それとも共存共栄を図れるのか、クレマンの真価が問われている。