「生命の終わり」諸法案、下院を再び通過
下院は2月25日、本会議にて「生命の終わり」に関する2法案を採択した。
政府は今夏までの可決成立を目指しているが、日程上の問題もあり、2027年4月に任期が満了するマクロン政権下での成立が実現するか危ぶまれている。
2法案のうち、ターミナルケアの拡充に関する法案は全会一致で採択された。
「死ぬ助けを得る権利」に関する法案の方は賛否両論があり、賛成299、反対226、棄権37の僅差にて採択された。
同法案は、2025年春に下院を通過したが、保守・中道派が過半数を握る上院は「安楽死」に強く反発しており、法案を大幅に修正した、2巡目となった今回の審議で、下院は再修正の上で法案を採択した。
終末期の苦痛を伴う患者が自ら死を選ぶことを助けることを可能にするのが法案の趣旨だが、下院は今回の審議で、薬物注入を患者自らが行うことを原則とし、身体上の制約でそれが行えない人に限り、医療スタッフが代わりに注入を行うことを認める形に条項を整えた。
また、医療スタッフの各人には「良心的忌避」の権利が認められる。
自死を助ける措置の適用の条件としては、肉体的な苦痛があることを条件とし、「精神的な苦痛のみ」では措置の適用を認める上で十分ではないことが明文化された。
制度適用を認める上では、▽患者が成人である、▽仏国籍者か仏居住者である、▽不治の重大な疾患が進んだ状態にあり、死に至る段階にある、▽十分な説明を与えられ、自由に判断を表明することができる状況にある、▽肉体的な苦痛を伴う、の5項目の条件をすべて満たしている必要がある。
違反行為は禁固2年・罰金3万ユーロに処せられる。
教唆も犯罪として処罰の対象となる。
下院を通過した法案は上院で4月にも審議される予定。
上院が法案をそのまま採択しないのは確実で、その場合、両院協議会が調停案の策定に当たり、不首尾の場合に下院が優先権を行使して採択するという流れになる。
政局が既に不安定で、大統領選が近づいて一段と流動化することが予想される中で、可決成立は時間との戦いとなる。
