政府、使用者向け社会保険料減免措置の実質削減を決定
政府は、法定最低賃金(SMIC)の引き上げに伴い、低賃金雇用を対象にした社会保険料の減免措置を改定せずに据え置くことを決めた。
国にとって実質22億ユーロの節減となる。
経営者団体はこの決定を強く批判している。
法定最低賃金(SMIC)は毎年1回、インフレ率等に連動する形で改定されることになっているが、物価上昇が著しい場合には、途中で追加の改定が行われる規定になっている。
これに沿って、5月1日付で2.4%の引き上げが実施された。
他方、雇用拡大を目的として、以前から、一定以下の賃金水準の就労者について、使用者負担の社会保険料を減免する措置が施行されており、こちらは、SMICの3倍までの賃金の就労者を対象に、賃金水準が高くなるにつれて逓減される形で適用されている。
政府はこの減免措置に伴い社会保障会計に生じる減収を、国の予算から補填している。
政府は、2026年予算法において最大740億ユーロに定められている同措置の規模をかさ上げするつもりはないと説明しており、SMICが上昇した分を考慮する可能性を否定。
具体的には、減免措置の基準を現行のSMIC額とするのではなく、2026年年頭のSMIC額のまま固定する旨を定める政令案を策定した。
政令案は現在、社会保障会計公庫に諮問のため提示されて審査中だが、政府はこの凍結について、企業が賃金を引き上げないままより大きな減免額を享受するような状況を排除することができると説明。
凍結により政府が得られる節減額は22億ユーロとかなり大きい。
ルコルニュ首相はこれまでに、中東紛争に伴うエネルギー高騰の影響などで、予定されている60億ユーロの予算凍結措置では収支悪化を食い止めるためには不十分になるとの見解を示しており、22億ユーロの節減は貴重な財源となる。
経営者団体はいずれも、減免措置の凍結を強く批判。
SMIC引き上げによる労働コストの増大に加えて、減免措置を削られるのは二重の刑罰だと主張し、さらに、3万-3万5000人程度の雇用に影響が及ぶ恐れがあるとして、雇用政策の面からも不利益が大きいと批判している。
主要労組のCGTは逆に、減免措置は企業の甘えだとして、その廃止に向けた第一歩とすべきだとする正反対の見解を示している。
