CCIJF – 在仏日本商工会議所

独仏両国が出資のKNDS、上場計画を正式に発表

独仏共同出資のKNDS(戦車、装甲車など製造)は6月24日、上場計画の詳細を発表した。
近々、仏パリ市場と独フランクフルト市場に20%株式が上場される。
新株発行は伴わない。
KNDSは、仏Nexterと独クラウスマッファイ・ヴェクマンが合併して2015年に発足した。
現在は、仏政府が50%株式を、クラウスマッファイを保有していた独ヴェクマン&Coが50%株式をそれぞれ所有している。
仏政府は上場を機に、保有株式のうち10%を譲渡し、持株率を40%とする。
ヴェクマン&Coも10%株式を市場に放出すると共に、40%株式を、政府系金融機関KfW(復興金融公庫)に譲渡する。
これで、独仏両国政府が40%ずつを保有し、流動株が20%という構成になる。上場価格は公表されていないが、企業価値を150億ユーロ近くに設定しての上場になるという報道もある。
上場の日付は「数週間以内」とのみ公表されており、具体的な日付は明らかにされていない。
独仏両国は10年間に渡り持分を維持することを相互に約束。
相互の事前合意がなければ、それぞれの出資率を30%未満に引き下げることはできない旨も取り決めた。
取締役会(12人)においては、独仏両国がそれぞれ3人ずつの取締役を指名する。
フランス政府は、フランス側事業と子会社について、国防に関わる案件等について経営に一定の介入を行える権限を確保。
ドイツ側でも同様の権限が設定され、相互に権限を認め合う形で均衡を図る。
構造的な変化やCEOなどの人事(独仏の事業会社とも)、重要な営業上の決定や戦略上の決定については、独仏両国が指名の取締役による賛成を必要とする旨も取り決めた。
KNDSの製品ポートフォリオは、フランス側が開発のカエサル自走りゅう弾砲、ドイツ側が開発のレオパルト2戦車などにより構成される。
年商は2025年に前年比15.9%増の44億ユーロを達成。営業利益率は15%程度と、足元の業績は軍備拡張の需要もあり上向いている。
独仏両国は、次世代戦闘機システムFCASの共同開発計画をご破算にしたばかりで、防衛面での協力体制がぎくしゃくする中だが、両国協力のモデルケースとしてKNDSを確保することの意義は、独仏両国のいずれにとっても大きい。
次世代戦車の独仏共同開発プロジェクトの方は、参加する独ラインメタルとの折り合いが悪いこともあって具体化が遅れているが、KNDSの足元を固めることはそうした中でも、プランBの確保といった点でそれなりの意義がある。