競争当局、メタに新聞雑誌業界との著作隣接権交渉に応じるよう命令
仏競争当局はこのほど、メタ(フェイスブック、インスタグラム)に対して、仏新聞雑誌業界との間で、著作隣接権の支払いに関する誠実な交渉を開始するよう命じた。15日以内に有益なデータを開示し、交渉中はニュース配信の削減など、交渉相手の不利益になる変更は加えないようあわせて命じた。
メタと新聞雑誌等のニュース製作業界との間の著作隣接権に関する合意は2024年末で失効。業界団体のAPIGによると、メタは、支払い権利料の80%削減(年間総額450万ユーロへ)を盛り込んだ合意案を提示し、業界団体側はこれを拒否していた。業界2団体(APIGとDVP)はそれぞれ競争当局に提訴。競争当局はその訴えを認める形で、メタに交渉に応じるよう命じた。
競争当局は、フェイスブック等のユーザー数が特に多く、優越的地位を構成する可能性があると指摘。それを悪用して、誠実な交渉をせずに、権利料の計算方法を一方的に押し付け、計算に必要なデータを開示しない可能性があると指摘し、誠実な交渉に応じるよう、メタに対して命令した。競争当局は引き続き本件審理を行い、優越的地位濫用の有無を調べる。その結果によっては罰金処分が決まる可能性がある。
欧州司法裁判所は去る5月の時点で、欧州連合(EU)加盟国には、著作隣接権に関してプラットフォームに誠実な交渉を行うよう命じる権利があると認定する判決を下していた。
仏国内でも、この件でコンテンツ制作者側の権利を強化する法案の国会審議が進んでいる。他方、他の大手の動きでは、グーグルがAI検索「AI Overviews」の機能を開始するに当たり、AIによるコンテンツの使用を認めない権利の保障や、適正な著作隣接権権利料の確保の問題がどうなるかが注目されており、競争当局の今回の判断はこうした動きにも影響を及ぼすことが考えられる。
