暑い日に気をつけたい子どもの脱水症状
最近、暑い日が続いています。日本の夏の暑さで「修行」をされてきた皆様の中には、「このくらいなら大丈夫」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、フランスでは日本ほど冷房設備が整っていないことも多く、レストランに行っても、メトロに乗っても、冷房が十分に効いていない場面があります。我が家にもクーラーがなく、暑い日はなかなか大変です。
こうした時期には、こまめな水分補給がとても大切です。一度に大量に飲むよりも、コップ一杯程度の水をこまめに飲むことをおすすめします。汗を多くかく日には、水分だけでなく、食事や経口補水液などを通じて、少量の塩分も補うことが大切です。
今回特にお伝えしたいのは、子どもの脱水症状についてです。子どもは大人に比べて体が小さく、体内の水分バランスが崩れやすいため、暑さ、発熱、嘔吐、下痢などによって脱水を起こしやすいとされています。特に乳幼児は、自分で「のどが渇いた」と十分に伝えられなかったり、自分で水分を取りに行けなかったりするため、周囲の大人が早めに気づくことが大切です。
医学的には、脱水は大きく「軽度」「中等度」「重度」に分けて考えます。ここでは、保護者の方が家庭で気づきやすいように、「様子を見ながら対応する段階」「医療機関に相談したい段階」「すぐに救急対応が必要な段階」として整理します。
軽い脱水では、のどの渇き、唇や口の中の乾き、尿の回数が少ない、尿の色が濃い、いつもより少し元気がない、といった症状が見られます。ただし、この段階では、子どもがまだ比較的よく反応し、起きていて、少し遊ぶ元気があることも多いです。この場合は、涼しい場所で休ませ、少量ずつこまめに水分を与えます。水や麦茶だけでなく、汗を多くかいている場合や下痢・嘔吐がある場合には、経口補水液を少しずつ飲ませることも有用です。
次に注意が必要なのは、口の中がかなり乾いている、泣いても涙が少ない、目がくぼんで見える、乳児では頭のてっぺんにある柔らかい部分がいつもよりへこんで見える、尿がかなり少ない、ぐったりしている、いつもより反応が弱い、嘔吐や下痢が続いて水分が十分に取れない、といった場合です。このようなときは、家庭だけで様子を見るのではなく、早めに医師に相談してください。特に乳児、小さな子ども、持病のある子どもでは、脱水が進むのが早いことがあります。
さらに、強い眠気がある、呼びかけても反応が悪い、意識がぼんやりしている、呼吸が速い、手足が冷たい、皮膚がまだらに見える、顔色が灰色っぽい、尿が長時間出ていない、けいれんがある、といった場合は緊急性があります。この段階では、すぐに救急対応が必要です。フランスでは15番または112番に連絡する、あるいは救急外来を受診してください。
子どもの脱水で大切なのは、「まだ大丈夫」と思いすぎないことです。大人にとっては少し暑いだけの日でも、子どもにとっては負担が大きいことがあります。特に、暑い部屋、車内、ベビーカーの中、直射日光の下では体温が上がりやすく、注意が必要です。
暑い時期には、涼しい場所で休む、日中の外出を避ける、薄着にする、こまめに水分を取る、尿の回数や子どもの元気さを観察することが大切です。子どもは自分の体調変化をうまく言葉にできないことがあります。周囲の大人が少し早めに気づいてあげることが、脱水を防ぐ一番の対策になります。
暑い日が続いていても、日によっては過ごしやすい日もあります。フランスでは、夏は一年の中でも特に美しい季節です。休暇で南仏に出かけたり、夕方に涼しい風を感じながらロゼワインを楽しんだりする時間は、夏ならではの幸せでもあります。 体の健康に気をつけながら、皆様が安心して、楽しい夏を過ごせることを願っています。