政府、医薬品の使用期限延長の可能性の検討に着手
政府は、医薬品のロス対策の一環で、使用期限の延長の可能性を探る試みに着手した。14社の73種の医薬品を対象に検討する。
この取り組みは、2025年11月の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議の際になされた決定に即して行われる。公的機関のANSM(仏医薬品安全庁)が4月末を期限に関心表明の募集を行い、応募した14社の73種の医薬品を対象に、使用期限の延長が可能であることを実証する調査を実施することを決めた。
使用期限が過ぎた医薬品は、無害化を目的にすべて焼却処分とされている。浪費を極力排除することができれば、製造から処分までの全段階におけるエネルギーや資源の投入を最適化することが可能になる。政府としては、医療支出の削減を実現する可能性も開ける。
パラセラモル、アモキシシリン、レボチロキシン、メラトニン、リチウムなど、よく使われており、家庭に在庫が構築されやすい医薬品が選定された。製品の安定性などについて調査を行い、薬効の過度の低下を招かず、危険性もないことを確認する。会社側が、使用期間を修正した上で販売許可の再申請を行い、ANSMが申請に応じるという流れで、延長がなされる。プログラムは5年間の期限で実施される。
現在、国内で販売許可が付与されている医薬品の半数では、使用期限が2-3年に設定されている。使用期限が5年間という製品は全体の1割に満たない。73種の対象医薬品のうち47種については、4年間以上への使用期限の延長が目的となる。「使用期限5年間」を目安に、可能な範囲内での延長の可能性を探る。
ただ、対象製品のほとんどが後発医薬品であり、単価がもとから安いことから、健保会計にとっての節減効果はあまり期待できない。その点で、病院で投与の高価な新薬とは事情が大きく異なる。政府はそうした高価な医薬品についても節減の可能性を探っており、例えば、同じ効果が得られる限りで投与量を引き下げる可能性などが別途検討される。フランスでは、未使用の医薬品を再利用する制度がかつては存在しており、病院で投与の医薬品の一部についてこれを復活させる案も浮上しているという。
