CCIJF – 在仏日本商工会議所

仏政府、プラスチック・ボトルのデポジット制義務化を断念

政府は9月4日、プラスチック・ボトルのデポジット制導入の義務化を見送り、任意制度として導入することを決めた。
政府は当初、義務化を目指して試験導入を実施したが、その成果を検討した上で、義務化を見送った。
政府は、プラスチック・ボトル廃棄物の回収率が、合計人口で1100万人強の自治体連合約230ヵ所(主に農山漁村地方)では77%、逆に合計人口が1400万人強の自治体連合約45ヵ所(主に都市部)では45%未満と、状況が地域によってかなり違うことを挙げて、全般的な義務化による効果は乏しいと指摘。
デポジット制度を、回収率が低い地域における改善の手段と位置づけ、任意での導入を促すことにした。
デポジット制度の導入を巡っては賛否両論があり、5月末に政府が開始した意見聴取において、両派の対立が先鋭化していた。
自治体側は、廃棄物の分別回収の取り組みにおいて、主な資金源となるプラスチック・ボトルをデポジット制度により吸い取られるのを恐れて導入構想に強く反発。
これには、回収・リサイクルを担当する業者や、環境団体なども同調していた。
これに対して、店舗等を通じたルートを確保してデポジット制度の運営に関われば、高品質のリサイクル材料の確保が容易になると考えて、大手メーカーなどは導入を後押ししていた。
結局、自治体側が綱引きに勝った格好で、政府は義務化を取り下げた。
ただ、全国のプラスチック・ボトルのリサイクル率は26%と低く、欧州連合(EU)が定めた最低限(2025年に50%)を下回っている。
同年には、目標未達を理由に、仏政府は15億ユーロの拠出金を支払わなければならなかった。
2030年にこの最低限は55%まで引き上げられるが、フランスでは目標達成に向けた道筋は整っていない。
また、EUの容器包装に関する規則は、プラスチック・ボトルやカンなど容器の回収率80%の達成を2026年の目標に設定。
2029年には90%の達成が目標になり、達成ができない場合には2029年年頭よりデポジット制度の導入を義務付ける旨が定められている。
導入見送りはこうしたコンプライアンスの展望を潰すことも意味する。