CCIJF – 在仏日本商工会議所

第三回:男性型脱毛症のお話

男性型脱毛症は思春期から始まり徐々に進行します。生理的現象ですので、病気ではありませんが、多くの人の悩みの種になっています。特徴は額の生え際が後 退し、前頭部と頭頂部の毛髪が細く短くなっていることです。ご存知の方も多いかと思いますが、近年男性型脱毛症に対する有効な治療法が確立されてきていま す。今回は主に治療薬についてお話させていただきます。

 数ヶ月前に日本皮膚科学会より男性型脱毛症診療ガイドラインが公表されました。この中で、その有効性に科学的根拠があり、治療法として薦められているのが、

ミノキシジル5%外用剤とフィナシステリド1mg内服薬です。どちらの薬もそもそもは脱毛症治療薬として開発されたわけではありません。ミノキシジルは血 管拡張作用があり、血圧を下げる薬として使われていたのですが、偶然髪の毛が増えるという副作用があることがわかったのです。また、フィナステリドも前立 腺肥大症の薬として使われていたのが、より少量で発毛作用があることが判明しました。

ミノキシジル外用剤とフィナステリド内服薬は作用機序が異なるため、併用してもかまいません。一般にミノキシジルは前頭脱毛には効果が低いとされています。

ミノキシジル外用剤は日本では「リアップ」、フランスでは「Alostil」という名前で薬局で売っています。これには処方箋が必要ありません。まれにか ぶれることがあるかもしれませんが、ほとんど副作用のない安全なものとされています。(だから薬局で誰でも手に入るのだと思います。)男性の場合5%、女 性の場合1%を使うことがガイドラインで推奨されています。
 フィナステリド内服薬には処方箋が必要です。1日1mgを毎日内服します。日本でもフランスでも「プロペシア Propecia」という名前です。副作用としては数%の可能性で勃起障害などが起こるとされていますが、この頻度はプラセボ薬(比較のために使われた無 成分の薬)と有意な差がないとされています。その他ごくまれに肝機能障害を起こすことがありますが比較的安全な薬です。ただし、女性には効果がない上、妊 婦、授乳婦さんには禁忌となっております。

 いずれの薬も効果が出るのに最低3ヶ月はかかるとされています。フランスでのお値段はAlostil5% (100ml)が約35ユーロ、Propeciaが1か月分45ユーロ、3か月分で120ユーロ(Phamarcie du Chateau 01 47 58 75 81 調べ)と決して安くはありませんが、できれば正規品を使うことが望ましいです。インターネットなどで購入すると偽薬の可能性があり、Alostilや Propeicaのようにゆっくりと利いてくる薬の場合、本物と偽物の違いがすぐにわからないからです。

科学的根拠は明白ではありませんが、タバコの吸い過ぎも脱毛の一因になると言われておりますので、注意しましょう。