従業員の位置確認手段、導入は適法=最高裁判決
最高裁はこのほど、従業員の就業中の位置確認手段を導入することは適法だとする判決を下した(2026年3月18日付社会問題小法廷判決第24-18.976 FS-B)。従来の判例を補強する新たな判例となった。
この判決は、定期刊行物等を住宅に届ける配達人を雇用する企業と、配達人の組合の間の係争に関して下された。
会社側は、「Distrio」と呼ばれる位置確認のGPSデバイスを開発して、配達人らに持たせていた。
10秒ごとに現在位置を記録する仕組みで、配達人らが就業時に自ら操作して作動させ、休憩中や業務終了時に止める規定となっていた。
組合側は、従業員に対する行き過ぎた監視行為に相当すると主張して提訴。
10年を超える係争を経て、ようやく最高裁判決が確定した。
最高裁は今回の判決の中で、「GPSによる位置情報を勤務時間計測のために使用するのは、ほかに可能な手段がない場合に認められる」とする最高裁判決(2027年12月15日)に加えて、欧州連合(EU)の加盟国は、労働者の1日間の労働時間を計測する客観的で信頼性のある手段を導入するよう企業に義務付けなければならないとする欧州司法裁判所の2019年5月14日判決も援用して、今回の判決を下した。
この件においては、配達人の側に就労時間の自由度が認められていたがゆえに、実際の就労時間を把握するための手段を整えることが必要だったと指摘し、導入された「Distrio」については、オン・オフを従業員が自ら行い、就労中以外の追跡はなされない仕組みになっていることを指摘し、位置情報による移動を計測し、これを就労時間の把握のために用いるというもので、就労時間を把握する信頼性のある客観的な手段だったと認定。
これを導入した企業側の対応が法令と判例に照らして正しいと認めた。
