肥満治療薬2種が健保払い戻しの対象に
仏政府はこのほど、肥満治療薬2種を健保払い戻しの対象とすることを決めたと発表した。
一定の条件を満たす患者に限り、払い戻しを認める。
対象となるのは、ノボノルディスクファーマのウゴービとイーライリリーのマンジャロ。
いずれもいわゆるGLP-1受容体作動薬で、もとは糖尿病の治療薬だったが、肥満症治療薬として各国で認可されている。
フランスでも2024年末より処方薬として販売されているが、月間に300ユーロ程度と高価なこともあり、健保払い戻しの対象とはなっていなかった。
政府はこのほど、特段に肥満の度合いが高い患者と、基礎疾患がある重度の肥満症患者に限り、肥満症治療の専門医療機関(大学病院など含む)の専門医による処方を条件に、健保払い戻しを行う。
還付率は65%だが、基礎疾患のある慢性症患者の場合、100%還付が適用されることから、実際には100%還付の場合がほとんどであると考えられる。
6月中旬より適用が開始され、通年ベースでは1億ユーロ程度の負担が健保公庫に発生するものと予想されている。
潜在的な対象者は100万人程度と推定されている。
健保公庫は製造元の2社と交渉を重ねて、今回の決定に至った。
リスト保健相は、治療薬があることで肥満外科手術を回避することが可能になるとし、包括的な観点からリスクを最小化して疾病対策を進めるという考え方から払い戻しを認めたと説明。
投薬の期間を設定せずに、必要な限りで払い戻しを認めることを決めたのは、欧州連合(EU)加盟国中でもフランスが初めてだとも説明した。
保健相はその上で、一般論として社会保障会計の財源確保の議論は避けて通れないとして、患者自己負担枠の拡大などの対策が必要だとする見解も示した。
