出生率の低下と人口高齢化に伴い年金収支の悪化も不可避に
国会議員や労使代表などが参加し、首相府の下に置かれた諮問組織COR(年金方針評議会)は6月11日に会合を開き、年金収支予測の年次報告書を検討する。
人口減少の展望を反映し、年金収支の悪化を予測する内容になるという。
統計機関のINSEEは仏人口が移民の流出入後でも減少に転じるとの予測を公表しており、CORの報告書はそれも織り込んで、従来よりも厳しい予測を採用した。
年金収支は2025年にも50億ユーロ近くの赤字を記録したが、これが2030年には68億ユーロ(GDPの0.2%に相当)に拡大し、その後は、2045年時点でGDPの0.9%相当、2070年には同2.4%相当にまで膨張する。
従来予測は2070年時点で1.4%相当だったが、これが大幅に上方修正される。
INSEEは、合計特殊出生率を1.45と仮定し、出生数が減少するという予測の下で人口の推移を予測した。
CORはこれまで、合計特殊出生率を1.8と仮定してきたが、その修正が必要になった。
他方、移民の流出入は、INSEEが年間15万人の純流入と予想。
CORはこれまで7万人と予想しており、予想よりも大きくなる。
これには、収支の悪化を先延ばしにできるという効果がある。
その一方で、将来予測は先になるほど不確実性が増し、また、より手前では、労使共同運営の補足年金(Agirc-Arrco)がどのような決定を下すかにも影響されるため、これらは予測に過ぎないことに留意する必要がある。
報告書はその上で、2070年時点で年金収支を均衡に保つための一案として、同年までに定年年齢を段階的に67.6歳まで引き上げることを提案。
ほかに何もなされないと仮定した場合に、収支均衡を確保するために必要な水準として提示した。
年金改革は困難な課題であり、2027年春に予定される大統領選挙においても争点の一つとなる可能性がある。
