フランスのインフルエンザ・新型コロナウイルスワクチン、誰が接種対象?
秋から冬にかけて増えてくるインフルエンザと新型コロナウイルス。フランスでは毎年秋に、この2つのワクチンの接種が始まります。今年度は、2026年10月13日からインフルエンザと新型コロナウイルスのワクチン接種が同時に始まります。では、実際にはどのような人に接種が勧められているのでしょうか。
インフルエンザワクチンが特に推奨される人
フランスでは、まず65歳以上のすべての人に毎年のインフルエンザワクチンが推奨されています。
また、65歳未満でも、妊娠中の方、糖尿病、喘息やCOPDなどの慢性呼吸器疾患、重い心疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、免疫不全、がんなど、インフルエンザが重症化しやすい疾患のある方には接種が推奨されています。
BMI 40 kg/m²以上の高度肥満の方、医療・介護施設などに入居している方、医療従事者や重症化リスクの高い患者さんと継続的に接する職業の方も対象です。
さらに、免疫不全の方と生活している家族や、重症化リスクの高い生後6か月未満の乳児の家族などにも接種が勧められています。
新型コロナウイルスワクチンが特に推奨される人
新型コロナウイルスについても、基本的にはインフルエンザと同様に、65歳以上の方や重症化リスクの高い方に毎年秋の接種が推奨されています。
妊婦、免疫不全の方、慢性疾患のある方、施設入居者などが主な対象です。
さらに新型コロナウイルスでは、ダウン症候群、特定の精神疾患、認知症のある方なども重症化リスクを考慮して推奨対象に含まれています。
「推奨対象ではない人」は打てない?
いいえ。ここはよく誤解されるところですが、「接種が特に推奨されている人」と「接種できる人」は別です。年齢など製品ごとの条件を満たし、医学的な禁忌がなければ、推奨対象に入っていない健康な人でも希望により接種することができます。つまり、「健康だから対象外と言われた=接種できない」ということではありません。
アレルギーがあるけれど、ワクチンを打っても大丈夫?
「アレルギーがあるのでワクチンを打つのが怖い」という方も少なくありません。しかし、花粉症、一般的な食物アレルギー、ハウスダストなど、何らかのアレルギーがあるというだけでワクチンが接種できなくなるわけではありません。
フランスのVaccination Info Serviceによると、ワクチン接種の代表的な禁忌は、ワクチンに含まれる成分に対する重篤なアレルギーが確認されている場合、または同じワクチンの以前の接種で重篤なアレルギー反応を起こした場合です。
卵アレルギーとインフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンの中には、鶏卵を用いて製造されるものがあります。例えば今シーズンに使用されるVaxigripなどは鶏卵培養で製造されており、ごく微量の卵由来成分が含まれる可能性があります。
ただし、卵アレルギーがあるというだけで一律にインフルエンザワクチンが禁止されるわけではありません。今年は、鶏卵ではなく細胞培養で製造されるFlucelvaxもフランスで使用されています。重い卵アレルギーがある場合には、かかりつけ医にその旨をお伝えください。
新型コロナウイルスワクチンとアレルギー
2026–2027年シーズンには、新型コロナウイルスワクチンとしてComirnaty XFGが使用されます。ComirnatyにはPEG(ポリエチレングリコール)を含む成分が使用されています。フランスのVaccination Info Serviceでは、PEGなどワクチン成分に対するアレルギーが専門医によって確認されている場合や、過去の新型コロナウイルスワクチン接種後にアナフィラキシーを起こした場合などには、接種前の専門的評価が必要とされています。逆に、花粉症や一般的な食物アレルギーなどがあるだけで、新型コロナウイルスワクチンが自動的に禁忌になるわけではありません。
ワクチンで重いアレルギー反応を起こすことは?
どの注射ワクチンでも、非常にまれですがアナフィラキシーを起こす可能性はあります。フランスのVaccination Info Serviceでは、ワクチン接種後のアナフィラキシーは非常にまれな合併症とされており、そのため接種後には通常15分程度の経過観察が推奨されています。また、接種を行う医療機関や薬局では、万一のアナフィラキシーに対応できる体制を整えることになっています。過去にワクチンや薬で重いアレルギー反応を起こしたことがある方は、接種前に必ず医師や薬剤師に伝えてください。
インフルエンザと新型コロナウイルスワクチン、同じ日に打っても大丈夫?
はい。インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンは同じ日に接種できます。通常は左右それぞれ別の腕に接種します。同じ日に接種しなかった場合でも、両方のワクチンの間に特別な間隔をあける必要はありません。もちろん、副反応が心配で「一度に2本は避けたい」という場合には、別の日に接種することもできます。
まとめ
- ワクチンについて大切なのは、「対象か、対象外か」だけで考えないことです。
- 65歳以上の方や基礎疾患のある方など、重症化リスクが高い人には特に接種が推奨されています。
- 一方、健康な若い方でも、希望すればインフルエンザ、新型コロナウイルスともに接種することができます。
- また、「アレルギー体質だからワクチンは無理」と自己判断する必要もありません。本当に注意が必要なのは、ワクチン成分に対する重篤なアレルギーや、過去の接種で重いアレルギー反応を起こした場合などです判断に迷う場合には、ご自身の年齢、持病、妊娠の有無、過去のワクチン接種歴やアレルギー歴をかかりつけ医に伝えて相談してみてください。
- 今年度のフランスでのインフルエンザ・新型コロナウイルスワクチンキャンペーンは10月13日から始まります。冬が本格化する前に、ご自身とご家族のワクチン接種について一度確認してみましょう。