CCIJF – 在仏日本商工会議所

政府、労働災害・職業病保険公庫で8億ユーロの節減を計画

政府は労働災害・職業病保険公庫で年間8億ユーロの節減を2027年に実現することを目指している。
保険公庫側は政府の提案に対する意見書をこのほど採択した。
労働災害・職業病保険公庫は、健保公庫など社会保障会計を構成する他の公庫と同様、労使共同運営を建前とする。労使は意見が対立することも多いが、今回の政府提案については、公庫の運営に対する政府の介入を警戒することで一致点もあり、一連の注文をつける意見書を採択することができた。
労組のうち強硬派のCGTのみが署名を拒否したが、他の労組と経営者団体はすべて署名した。
労働災害・職業病保険公庫は長らく黒字収支が続いていたが、2025年には2億ユーロの赤字に転じ、2026年には赤字幅が10億ユーロに拡大する見込みになっている。
このままだと2029年までは赤字が続く見通しとなっている。
意見書は、年金改革に伴い、年間8億ユーロが同公庫から年金公庫に繰り入れられるようになったこと、さらに、労災申請の手控えがあることを理由として、健保公庫が代わって医療支出等の負担を強いられている分の補償として、年間12億-16億ユーロが健保公庫に繰り入れられていること(2027年には20億ユーロの見込み)を挙げて、これらの拠出がなかったら労災・職業病保険公庫は黒字であると実績を強調した。
その上で、政府が一案として提示した労災・職業病保険公庫による1日当たりの手当金支出額の上限設定(法定最低賃金SMICの1.8倍)については、導入の場合の影響調査を実施し、十分な吟味を尽くすよう求めた。
政府は、手当金を課税対象とすることも提案したが、意見書はその場合に、課税により得られた収入を公庫の収入とみなすよう求め、国の収入とはせずに、公庫の収支改善のために用いるのが当然だとする見解を表明した。