アルジェリアで収監のサンサル氏の新著、売れ行きは優れず
ルモンド紙の報道によると、アルジェリア系作家ブアレム・サンサル氏の新作の売れ行きが期待を下回る水準に低迷している。6 月2 日に発売の「伝説(La Legende)」(252 ページ、22 ユーロ)は、初版15 万部を用意したが、8 月20 日時点で販売は4 万8000 部にとどまった。
サンサル氏はアルジェリアに一時入国した際に当局により逮捕され、1 年余りに渡り収監された。西サハラ問題に絡んでアルジェリア政府の見解に反する主張を展開していたことから逮捕され、有罪判決を受けた。フランス側の働きかけもあり、最終的にアルジェリアのテブーン大統領が恩赦を与えることに応じ、サンサル氏はフランスに戻っていた。サンサル氏はその後、従来の契約先である出版社のガリマールから離れて、右翼系実業家のバンサン・ボロレ氏傘下の出版社アシェット・グループの子会社であるグラッセと契約。その後、グラッセのノラ社長の解任を経て、サンサル氏の獄中体験記である「伝説」が出版されるという経緯を辿っていた。ノラ氏は、サンサル氏の著作の出版のタイミングを巡り、ボロレ氏など上層部ともめていたという。ほかにも、極右政党RN に近い人物の著作の出版に
応じなかったことが解任の背景にあると考えられている。
アシェットは100 万ユーロという破格の権利料を前渡しでサンサル氏に支払ったという。また、報道によれば、50 万ユーロというやはり破格の広告投資を行い、サンサル氏の新著を強力に後押しした。その割には売れ行きが振るわなかった。例えば、獄中記でいえば、サルコジ元大統領が2025年12月10日にファイヤール(やはりアシェット傘下)から刊行した「ある囚人の日記」は、刊行から1週間で9万部が売れており、差は歴然としている。アシェットはそれでも、ベルギー及びスイスでの販売を合算すると5万5242部が販売されたとして、書籍の市場全体が勢いのない中で、極めて満足すべき販売実績が得られたとコメントしている。
