CCIJF – 在仏日本商工会議所

低所得者向けのEVリース、仏メーカー(ルノー、ステランティス)は消極的か

低所得者向けのEVリース提供が今年で3期目を迎えた。今年は5万件の契約が援助の対象となる。
政府発表によると、ここまでで3万4000件の申請があり、うち3万件で契約が成立した。
仏大手のルノーとステランティスは、それぞれ1万7000台と2万5000台を提供することになっているが、政府は、両社の対応が積極的でないことに苛立っているとも報じられている。
ルノーは、2025年の第2期提供においては積極的で、1万6000台をこの枠に振り向けた。
ただ、今年はこれまでのところ9000台余りという実績で、動きが鈍い。
ルノーの発表でも、リース向けではR5とメガーヌが既に完売、コンパクトSUVのEvolutionと、新トゥインゴの2バージョンのみが残っている。
自動車メーカーは、二酸化炭素排出量規制への適合化を図るため、販売にEVが占める割合を引き上げる必要があり、去年までは、低所得者向けのEVリースは渡りに船だった。
しかし、現在では、燃料価格の高騰により、EVは放っておいても売れる状況に一変した。
低所得者向けEVリースの場合、メーカーが儲けを出すには、各種支援を最大に取得する必要があるが、その点で、欧州連合(EU)域内で製造のバッテリー採用車に認められる支援も確保することが必須となる。
ただ、現状では域内生産バッテリーは数が潤沢ではなく、ルノーはこれを、中国の競合との競争に振り向けることを望んでいる。
そのため、低所得者向けのEVリース向けのモデルには使いたくないという事情がある。
ステランティスは今年、2万4000台近くを既に提供しており、数の上からは予定通りの貢献ができている。ただ、ブランド別では、より上位のプジョー車は少なく、シトロエン(e-C3とe-C3エアクロス)及びオペルのフロンテラを優先的に提供している。
ステランティスは、ディーラー網を通じた中古車販売にも乗り出しており、その点では、特定のモデルの在庫が積み上がる状況を招くのは避けたいところで、バランスに配慮した供給となっている。
ルノーとステランティスとも、2027年に第4期が決まるとしても、それに参加するかどうかは微妙だとする見方がある。ステランティスの社内筋からは、制度の単純化が望まれるという声が聞かれる。
十分な援助と販売奨励効果が得られないならやりたくないという空気感もある。