パリのモンパルナス・タワー、改修計画がとん挫か
パリのモンパルナス駅前にある高層ビル「モンパルナス・タワー」の改修計画がとん挫しそうになっている。
区分所有組合が9月23日に会合を開き、着工を否決した。
このままだと、総額8億ユーロの改修計画は、取得した建築許可が11月26日付で失効してしまい、新たな計画を策定して許可を取り直さなければならなくなる。
その場合、実現までかなりの時間が必要になる。
モンパルナス・タワーは、民間の複数の所有者が共同保有している。
所有者が集まる区分所有組合の会合では、主要株主である投資会社のLFPI(28.6%株式を保有)に加えて、教育省共済保険組織や保険大手アクサ傘下の資産運用会社(現在はBNPパリバ傘下)、Icade(不動産会社)などの出資者が反対票を投じ、76%を超える反対で、本格工事開始の前提となるアスベスト除去の完了等の工事の開始を差し止めた。改修計画は、もとはLFPIが準備したもので、建築会社ヌーベルAOMが設計を手掛け、一部の壁面を取り払って植物をあしらうといった環境配慮型の工夫も打ち出す内容だった。
併設のショッピングセンターも、レンゾ・ピアノの設計でリニューアルする計画で、パリ市は、イダルゴ前市長の頃から計画を後押ししていた。
しかし、LFPIの内部でお家騒動があり、現在は費用高の計画を放棄し、最小限の改修(4億ユーロ)にとどめるというシナリオを推している。
全般的に景気が低迷する中で、区分所有者の大勢が節減に傾いている。
パリ市のグレゴワール現市長は、区分所有者らに向けて、建設に踏み切るよう働きかけを行ったが、所有者らは結局、耳を貸さなかった。
このままだと、ショッピングセンターも含めて、界隈の廃墟めいた状況が当面は続くことになる。
