CCIJF – 在仏日本商工会議所

ムーディーズ、仏長期債務の格付けを据え置き

格付け大手のムーディーズは10月23日、フランス長期債務の格付けを据え置くことを決めた。
Aa3のまま据え置いた。
格付け見通しもネガティブのままとした。
仏長期金利の上昇が目立ち、フランスの信用力が揺らぐ中で、ムーディーズが格下げに踏み切るのは確実だと思われていた。
ムーディーズのAa3は、他の大手2社(S&P、フィッチ)の「AAマイナス」に相当するが、両社は既に仏格付けを1段階下の「Aプラス」に引き下げており、ムーディーズが他社と横並びとすることを決めるのは不可避と考えられていた。
それだけに発表の意外感は大きい。
ムーディーズはこの決定について、信頼感を表明するものではないとコメントし、足元の混乱した状況において決定を下さず、より落ち着いた局面において大勢が判明するのを待つ姿勢であることを示唆した。
17日の抗議行動が暴動騒ぎに発展し、24日には再び全国で抗議行動が展開されるというタイミングもあり、また、予算法案の審議が難航するという状況がある。
ムーディーズはその中で、政府が事態を収拾して安定化を図り、財政健全化の方向に進み出せるかどうかを見極めた上で判断を下すため、ひとまず格下げを延期した格好になる。
ルコルニュ首相は格付け維持の決定を歓迎。
仏国債に対する投機的な動きの逆を行くものだとして、予算法案を年内に成立させる道があり、そのために努力を続けると強調した。
ただ、ムーディーズは、仏財政赤字の対GDP比を、2026年に5.4%、2027年に5.2%と予想。
経済成長率が政府予測を下回ると予測しており、2027年に財政赤字の対GDP比を5%以内に抑えるという政府の目標を疑問視している。
格付け大手による次の発表はS&Pが11月27日に予定している。
今後1ヵ月以内に、社会不安を安定化に導きつつ、財政健全化の展望を示す予算法案の可決に向けためどをつけるという難題に政府は挑戦することになる。