リサイクル材料による低炭素鋼材巡り、回収業と鉄鋼業の業界団体が協力協定
鉄スクラップ回収と鉄鋼業の仏業界2団体が9月9日、リサイクル材料を用いた低炭素鋼材の製造促進を目指す「グリーン鋼材協定(Pacte Acier Vert)」に調印した。
仏経済省で調印式が行われた。
鉄スクラップ回収の業界団体FEDERRECと、鉄鋼業業界団体A3Mの間で協定が結ばれた。
両者はこれまで、原料供給者と需要家という関係において、価格の設定を巡り争うなどの場面も多かった。
今回の協定では、特に原子力由来の電力が豊富に利用可能なフランスにおいて、鉄スクラップを原料とする電気炉による鋼材製造は脱炭素化における重要な方法と見定めて、その振興に向けて協力することを取り決めた。
フランス国内では2024年に1123万トンの鉄スクラップが回収された。
FEDERRECの加盟企業による鉄スクラップの販売は同年に1036万トンに上ったが、国内向け販売はうち半分程度で、輸出はトルコやインド向けが多い。
フランスでは、鉄スクラップを原料とする粗鋼生産は全体の37%を占めるのみで、これは欧州全体の45%より低く、また、米国で70%に上っていることを考えても、拡大の余地は大きい。
フランスでは、2024年の粗鋼生産は1080万トンに上ったが、うち電気炉による製造は400万トンで、これは年間生産能力の600万トンに比べてかなり少ない。
協定は、2035-40年時点で国内の粗鋼生産量を1200万-1400万トンに引き上げるとの目標を設定。
電気炉による生産の拡大による目標達成への貢献を目指す。
高い品質の鋼材の実現の前提として、原料の品質改善と供給量の確保に向けた設備投資も予定。
上流から下流までの協力を通じて低炭素鋼材の品質向上と売り込みを進める。
フランスでは鋼材は産業部門における温室効果ガス排出量の4分の1を占めるといわれる。
業界は、国境炭素調整措置の効果や、欧州連合(EU)の産業加速法(IAA)による域内低炭素産業支援策の効果にも期待する。
